2009年5月24日日曜日

ファウストとマルガレーテの情欲の炎に焦がれていく場面の稽古風景



ウンプテンプの芝居はこの手のシーンが何故か多いと評判らしい?
しかし毎度、男性陣が様にならないのは、何故なのだろうか?
形にするのが下手、リードするのが下手、ご時世なのか?役者をやろうとする男がシャイだからなのか?疑問だ。


今回は徹頭徹尾、形に拘ろうと思っているが、手強い関門が立ちはだかる。
乗り切れ男ども、悪魔に魂を売った、欲望に駆り立てられる男の悲劇にしたいのだから。


今日は前日の通し稽古の問題点の軌道修正の稽古をした。
少しは先に進んだかも知れない、ここからの稽古は日々遅々と歩みながらの稽古になる。


ネバーギブアップと意気込んだ矢先、若い者のように華麗に動いて見せようとしたら、腰痛に襲われてしまった。

「遊び暮らすには歳を取りすぎた。だが望むことなしに生きるにはまだ若すぎる。ああ、神は、俺の諸々の力をすべて支配しながらも、外の世界に向かっては何ひとつ働きかけることができんのだ」

ファウストの語る、この科白が脳裏を横切った。

明日は楽しい道具と衣装の汚し作業だ。腰痛など糞食らえ!

 

2009年5月23日土曜日

 
今日、初めての通し稽古が終わった。ぐったり疲れた。
観ているだけなのだが、どうしてこんなにエネルギーを消費するのだろう?
そんな自分に呆れる。

役者には力むなと怒鳴りながら、自分が力んでちゃあしかたない。


芝居はまだまだ行ける。いや行かなければならない。
明日、今日の反省を踏まえながら稽古に望もう。
そうテーマは「襲いかかる狂おしき欲望と憧れ」とでもしておこう。

「赤のファウスト」は骨太の芝居にしてみせるぞ。楽曲は繊細なのだから。

 

2009年5月22日金曜日

合唱の練習風景


 
今回の舞台「赤のファウスト」では実に9曲の合唱と4曲のソロがある。
そりゃあもう、目の色を変えて日々稽古に明け暮れている。
勿論、芝居の方もかなり繊細な抑制を心がけた芝居を稽古している。

何せ相手役がスタンウェイーを使って、生ピアノ演奏なのだから、どたばたしたした子供の芝居は出来ない。

 
今回の参加者は歌が専門の人や、ダンス、そしてマイムと多種多様な技術を持っているが、僕の大方針として全員同等に「赤のファウスト」劇化する表現者として扱っている。
それが功をそうしたのか、お互いが持つ技術を分ち合いながら、良い座組を形成してきたと思える。


でも実は「ファウスト」が難物なだけに、皆の力を寄せ集めなければ成らないだけなのかも知れないが…。

 
稽古も追い込みに入り、明日は1回目の通し稽古である。
ゲーテの吐く言葉の力を糧にどこまで完成度を上げられるか?いつものことだが、体力勝負に突入したもよう。

 
観に来た人は贅沢な舞台を観劇するだろうと、僕は密かに思っている。観ない人は損をする、そんな思いで一杯だ。
あまりに勿体ないから、上演するのを止めようかとも思ったくらいだ。

 
良い芝居にしたい。強くそう思う。
芝居の中心にある核を、ぎゅっと掴んでねじ伏せたいのだが、ああ、悪魔には既に身を売ってしまっている僕としては、最早神頼みも出来ないといった有様。
と言っても悪魔と戯れるのも飽きてしまったし、これからどうやって作っていこう、ああシアンクレール。

 

2009年5月18日月曜日

マルガレーテを演じる森勢ちひろ

 

 

昨日は作業日。衣装、小道具、そして舞台制作に精を出した。この段階に来ると、いよいよという気になる。

 

今日からは最終段階の稽古に突入。これからが芝居の出来不出来を左右する、細かい動きやリアクションの作り込みになる。勿論スタッフ達も目の色を変えて、芝居にエネルギーを注ぎ込んで来る。

 

今回、満を持して取り組む「ファウスト」なのだから、行ける所まで行きたい気持ちになる。シンプルで濃密な舞台に成ってくれればと思い、気を新たに引き締めて、これから稽古場に向かう。

そして皆の顔を一人一人見詰めて、エナジーを貰おう。

 

「赤のファウスト」ー悲劇が唱いながら歩き出したー

贅沢な良い舞台に成るだろう。乞うご期待!

  

2009年5月11日月曜日

そろそろ本腰を入れなければ。

稽古中の一コマ

 

休み明けの稽古が今日から開始する。

 

今回は敢えてスローペースを意識してはいたが、やはりじれだしてだしてきた。

 

そして稽古も中盤にさしかかり、
役者の芝居の出来不出来の不揃いが生まれだしてきたもよう。

それぞれ気が付いていればいいのだが、それも今日の稽古で判明すだろう。そろそろ、芝居に魂を吹き込まなければならない時期に来ているので、芝居の密度と役への集中度が揃っていて貰いたいのが本音なのだが、実際毎回そうはいかないものだ。

 
明後日の荒通しが終わって、俯いて落ち込む役者の顔が想像できる。

今回の芝居は余計な事は出来ない、意識化された緻密さが要求されるが、まだまだ読みが浅い。とにかく本を読め!昔から先輩の役者に言われ続けたこの言葉が改めて身に染みる。
 

  

酒を飲む隙が有ったら本を読め。ここが分かれ目なのだ、昔から酒好きの無頼を気取っている役者でも、やる奴は狡くこっそりやっているんだぜ。これ本当のこと。可哀想だが酒に飲まれる奴は駄目なのだ。


2009年5月4日月曜日

休みの過ごし方。

ファウストを演じる谷修

今日は稽古が休みの日。

僕は休みの日はただ身体を休めることに勤める。

若い人たちは芝居を観に行ったりデートをしたりして気分をリフレッシュでもしているのだろうか? 演出としては気になる所だ。

 

本当は、本でも読んでおけこの野郎と言いたくなるが、僕も若いときがあった、そんな時は遊び回っていた、女の子と海に泳ぎに行ったりして、次の日真っ黒の日焼け顔を呆れられた記憶がある。

 

それも今はもう夢の夢、午後4時過ぎ頃にやおら起き出し、風呂に浸かってただぼうっとしている。やらなければならないことは沢山あるのだが手になど付かないほど、頭が動かない。 

 

暫くすると芝居の悪魔が囁き出し。さりげなくメンバーに奮起を促すメールを配信する。そして明日の稽古へ向かっての駄目出しを考え出し、どんな顔つきで登場しようかとか、誰をターゲットにして稽古場を上げていこうか、よからぬ事に頭が働き出す。

本を読んできているやつと、そうでないやつが分かってしまうだけに、休み明けの稽古は疲れる。因みに僕は後者でしたが。

鉛のように鈍く呟き続ける僕に誰か感動を与えてくれ。そして遠くに過ぎ去ったい数々の鮮烈だった記憶を運んできてくれ。この饐えた肉体が少しでもかつての躍動感を味わえるのなら、たとえよからぬ事でも喜んで受け入れるだろう。 

来るべき清き新たなる日に乾杯をささげよう。

既に悪魔には身を売っているこの身、明日からは口から日を吹く鬼にでも成るか。しかしそんな元気も出なかったらどうしよう。イライラするのだけはご勘弁したい。

 

いいかい、稽古以外で何をしているかで役者は決まるんだぜ。

喉から血が出るまで科白を喋っていろよ、明日、声がつぶれているやつがいたら、僕は勇気づけらるのだから。

夕方から衣装のさよが相談しに家に来るが、開口一番お説教で一泣かせして、プランの未熟さ読みの浅さを指摘して困難を与える。明け方5時就寝。

  

これがぼくの休みの日の過ごし方。