2010年7月25日日曜日

第9回公演のお知らせ

「牡丹江非恋歌」


時は日本による満州国建設直後とします。

物語はフィクションです。

舞台は満州の牡丹江を下る蒸気船の中で繰り広げられます。

行方不明になった父を探しに渡満してきた男、三四郎が経験する水の精との幻想の恋と、やがて知る事になる父親の死の真相、そして偽りに満ちた現実によって構成されていくでしょう。河を迷走する船のように運命に翻弄されていく時代と、そんな時代に生きた様々な人間たちの哀歌として語られて行ければと考えています。

ものごとの清濁が交じり、姿を変幻に代え、つかみ所のない、まるで水の流れのような話になるでしょう。不可思議な人の心と言う物が、流れに映れば良いのですが…。

上演日 11月11日~16日(9st)まで
場所 日暮里 D-倉庫にて
前売り 3500円 当日3800円
観覧日指定の全自由席です。

そう言うことで、只今次回上演の準備に大忙しです。
9月下旬からの稽古INまでに、やらなければ成らない事が沢山あり、毎回の事ですが、ルーティーンワークのようにはスムーズに事は運びません。
そんな物です。


今回の舞台は、満州を流れる牡丹江を下る船の中という設定で現在、加蘭京子が執筆中。僕は書かせ役に徹しています。

中国の近代史は、調べれば調べるほどに歴史認識が多様であり、そして当時の世界情勢との関係が複雑怪奇です。

一つはっきりしたことは、日本帝国のスローガンとして掲げた「八紘一宇」という概念と「マルクス・レーニン主義」が概ねそれほど違わないことが分かりました。方や神話からの抜粋なのでよく分からないのです。
しかしスローガンなるものを掲げれば掲げるほど、現実と理想が遊離していくものなのだと思う次第です。

ソ連崩壊以後に出てきた機密文書などを知ると、ますます何が真実なのか分からなくなります。僕が当時、学校で受けた近代史が随分と偏っていたのだと改めて思う次第です。

長い時間軸で、ものごとの是非を捉えると、終わり悪ければ全て悪しとなるわけですね。
芝居もやりゃあ良いというものでないのでしょうね。