2009年1月17日土曜日

芝居は終わる、泡沫のアワのように。


「三日月の セレナーデ」キャスト&スタッフ記念撮影
 
 
一つの舞台を終えた。
 
僕は芝居を創り上演する道のりは、船が大海原を航海するようなモノに思っているが、今回の船出はアドベンチャーその物だった。
 
荒れ狂う海を一丸となって進むその様を振り返ると「なせば成る」の一言が残る。一人一人が何を経験したかは計り知れないが、今回の公演は、やろうと思っても出来る経験でないことだけは確かだと思える。
 
本番に入り、芝居は僕の手を離れ成長して行った。これも皆で共に苦労したご褒美なのかも知れないが、労多くしなければ、良い芝居が生まれないなんて演劇の不文律は殺生だ。
次は楽に良い芝居が作れない物か考えよう。と、いつも思っている。
 
こんな芝居作りばかりしていたら、僕の残り人生で後十本くらいしか出来ない気がする。体力は限界が有るからね。ま、それでも手を抜いて後悔するより良いかと思う。
 
それから小町モノはやはり怖い、小野小町が歴史上から姿を消した謎は、どうやら度し難いものだった気がして成らない。何せ今回スタッフが二人途中で消えたのだから。せっせと盛り塩をしたり神社にいってお賽銭をあげお祓いをしたのに、あまり効果はなかった。やはり小町恐るべし。
でも、物の哀れと切なさは芝居にしっかり授けてくれた。
 
蒔いた種がいつか綿帽子を付けてどこかに飛んでいって、やがて実になることを信じて、返す刀で次に向かおう。
次回の「赤のファウスト」は一体どうなるのか? また一から創ると思うと、ふとため息一つ。
 
 
 観客の皆さん長い芝居を最後まで見て貰い感謝です。
 そしてスタッフ・キャストの諸君お疲れ様でした。