2009年9月8日火曜日

只今奮闘中!



      次回作「血の婚礼」の仮チラシ


この一週間で「血の婚礼」芝居の大枠が決まってくる。各方面から参加者が集まりだし、一つの座組が生まれ出す。僕にとっては、まさにエキサイティングな時なのだ。

毎回のことだが、慎重に、そして原則的にまたは情熱的に様々な志のある者達が集結してくるその様は、あの黒沢の「七人の侍」のわくわく感と同じに思える。
多方面からアーティスト達が一つの舞台の完成に向け、感性と情熱と知性を重ね合わせていく作業は、やはり舞台の醍醐味でもあり、胸躍る一時でもある。

集まりだしたその顔ぶれを一人一人思い浮かべると、ガルシア・ロルカの名作「血の婚礼」が見えてくる。この時代に向けて読み直していく、はっきりとした想像力を喚起させられる。
そして、かなり贅沢な芝居になるだろうことは単純に想像できる。
今は、女にでも一目惚れをして、頭から溢れんばかりの理想化した幻の女が居るようなものだ。
作品作りは一つ一つ積み重ねて深めていく根気と、憤懣やるかたない僕の中に渦巻く苛立つ思いが、作品を必然の方向に導いてくれるだろう。
だから今はただ、風の吹くままにはためいていたい。

そして、これからの限りない試行錯誤をしていく生命力だけは、演劇の神様にすがりたい。

とは言っても、これから何があるか分からないのも、芝居作りの現実である事は覚悟している。
そうした理不尽な現実が身近で起きれば起こるほど、演劇に力を与えてくれるのも因果な事実なのだ。
人に起こる不幸すら芝居作りに想像力をもたらしてしまうのだから、演劇表現とはなんと無粋な行為だとつくづく思う。
切り売りしても良いぐらいの生命力を授かりたい!

もう暫くしたら、ウンプテンプ・カンパニー版「血の婚礼」が如何なるものにしていくか語り出すかも知れない。でも舞台を観て貰うのが一番確かに伝わるのだろう。

ウンプテンプ・カンパニーでは、開かれた演劇を実践していきたいのだ。そして演劇が持つ、本来の総合的な芸術表現を求めてやまない。

今は、ただ乞うご期待の一言で納めておきたい。