2013年4月21日日曜日

5月公演「メメント・モリ」

次回5月公演「メメント・モリ」


さて、こんな贅沢な芝居を上演するとは思っても見ませんでした。
出演者もさることながら、ふんだんに飛び出す楽曲の数々、
衣装の絢爛さ、懲りに凝った舞台と照明、
それにも増して間近で見られる荒唐無稽な物語。

商業的な演劇では決して真似の出来ない、アンサンブルでゴシック調のお芝居をお見せします。 乞う御期待!!

このお芝居の冒頭は、マドリガル風の歌で始まります。


~序曲~

これよりご覧頂く物語  奇想天外 空と大地がひっくり返り、
夜明けというのに陽が沈む。 雄鳥、戸惑い啼き続け、雌鳥ふててって卵も産まぬ。
遺跡や名跡、数々あれど、雨に打たれて瓦礫に変わり 風に吹かれて日差し照り付き草木は茂る。


お偉い奴らはお骨になっても宝石身に付け名を残し、 名もない骨など見むきもされず、瓦礫と一緒に捨てられる。
墓を掘り起せ せっせと掘り起こしては篩いに掛けろ。 その時、壁が崩れて、溢れ出た。赤銅色の髪が溢れ出た。
しゃれこうべから、乱れて伸びて、奇跡を起こす。
伸びた髪の毛 ざっと計って二十二メートル。


ウェディングベールのように髪を垂らした少女が一人。
狂った犬に咬まれて少女が吠えて。
娘に焦がれた神父が狂う。
汚物まみれの独房で、二人が交わす蜜の味。
ホントのような嘘など通りの角を曲がればどこにもあるが、 嘘のようなホントにゃ滅多にお目にはかかれぬ。


月日はもどり遡り、二百年前へと巻き戻る。
ガレオン船の帆を縫えば、海の向こうのグラナダへ。
赤や黄色の旗なびかせて、ヌエバ・グラナダへ。
黒人奴隷が売り買いされて、白人貴族は馬車に乗る。
風が熱く駆け抜け日陰で吐息が漏れる。
ここはサンタ・クララ女子修道院。