2010年12月31日金曜日

「ベルナルダ・アルバの家」へ向かって今年も暮れる

今年を振り返るなんて事は僕はしないで、毎年除夜の鐘を聞く。
行く年来る年何て言っても、たった一夜の出来事としか思えない。

だが、今年は特別な年なのかも知れない。
ウンプテンプ・カンパニーを立ち上げ三カ年計画を公表して、4本の連続公演を打つ続けて来た。その最後の年を迎えるのだから、しっかり出来たことと、そうはいかなかったことを踏まえなくてはと思っている。

自らの原則にぶれることなく、易きに流れず一本一本しっかりと芝居をやり続けることがどんなに難しいことか、改めて思い知る。
何しろ芝居は一人では出来ないのだから、当たり前の事と言えば当たり前だ。

次回作へ向け、誰に何と思われようが果敢に進んで行かなければならないのだ。
変に訳知りの大人などにならず、寧ろ自らの沸き起こる欲望に従おう。唇を歪ませながら、虎視眈々と演劇を企てていこう。
見えない醜悪なるものに抗い続けている自分は今だ健在だ。
成せばなると信じていた、若いときと何も変わらないで居たいものだ。

そして内に生じる怒りにも似た懐疑心と混乱、そして焦燥感こそ、清い作品を生み出す肥やしのようなもの、だから今はさ迷いながら除夜の鐘でも聞こう。