2008年10月16日木曜日

見事に裏切られた

グローブ座を観た夜に、新宿のタイニアリスに向かう。『JANIS -Love is like a Ball and Chain-』を観にだ。さすがに芝居の梯子はきつい。

ジャニス・ジョプリンの死ね一ヶ月前からを描いた作品だ。
観終わった後、正直「この野郎」と憤懣やるかたない思いに包まれていた。
芝居のどうこうではない、ジャニスの最後のLP「パール」を買って聞いていたその当時が過ぎってしまったからだ。

ジャニス役をオーデションで公募したと聞いていたので、よせばいいのにと思っていた僕を、ジャニス役の武井翔子嬢は見事裏切ってくれた。
後で聞いたら彼女は、声楽を学んでいたと言うから二度びっくり。
ジャニスの歌を心を振り絞りながら見事熱唱していた。

ジャニスが好きな連中が集まって、芝居仕立てのライブ公演と言った感じだが、「好きは物の上手なり」これ表現の確信でもある。その事に改めて気づかされた。
ついぞここの所そう言う公演に立ち会っていなかった。
当たり前のことから始まり、何となく出来上がってしまった制度に流されず、果敢に好きな精神を再現しようと、一丸となって作りだした作品なのだから、この公演は軽々しく半端な批判など出来やしない。

昼間見た公演とは真逆の方向性なのだ。
生き方なのか、世代なのか、僕には分からないが、こうした精神性へのこだわりは少しでも長く、まだまだ荒削りでも良いから持続させて貰いたい。

彼らは、多分観た客に言われているだろうが、僕は敢えて反対の事を言いたい「芝居など上手くなる必要はない」と。

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