2011年4月27日水曜日


「新譚サロメ」より 罪 作詞 島崎藤村 作曲・歌 小田晃生 



「罪」


罪なれば物のあはれを

こころなき身にも知るなり

罪なれば酒をふくみて

夢に酔い夢に泣くなり


罪なれば親をも捨てて

世の鞭を忍び負うなり

罪なれば宿を追われて

花園を別れゆくなり


罪なれば刃に伏して

紅き血に流れ去るなり

罪なれば手に手を取りて

死の門にかけり入るなり


罪なれば滅び砕けて

常闇の地獄のなやみ

嗚呼二人抱き焦がれつ

恋の火にもゆるたましい
 

 
 
1998年 ウンプテンプ・カンパニー第5回公演 「新譚サロメ」より 「罪」
 
戯曲 加蘭京子 演出 長谷トオル 音楽 小田晃生
 
 
 
島崎藤村の詩を用いたこの上演作品は、有名なサロメの物語を、九州の安徳神話が生き付くとある孤島に置き換えました。男と島の娘の適わぬ恋物語なのですが、神話と現実が錯綜した、もう一つの天皇神話として描かれました。
見知らぬ辺境の地で嘘と本当とが微睡む、切なくて烈しい人間の本性としてのエロティシズムを扱ったウンプテンプ・カンパニーの力作です。


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