2011年3月9日水曜日

「裁き手は世界を焼き尽くさん」の動画をUPします。

最早、他劇団の舞台すら演出的に観てしまう癖はしょうがないと思っている。芝居の楽しみ方が、どんどん薄れていくのは僕だけなのだろうか?

客席に座ると上を見て、まず照明スポットの数と吊り方をチェックしている自分がいる。一番呆れるのは面白い場面では、回りの観客の表情を観察している。こりゃあ最悪の観客だろう。

作り手が力を入れ、芝居の見せ場としている箇所は、概ね灯体の光量が劇中、最大だったりする。

自分が演出する時もその傾向になる。明かりを作る段階で全てのフェーダーがフルゲージになって行く。

今回、UPしている赤のファウストの「裁き手は世界を焼き尽くさん」の場面が、その典型だろう。
無謀を承知での、4部合唱に役者がチャレンジして稽古姿を知っている者としては、つい力が入ってしまう。


この場面は、マルガレーテが逃れられない罪の呵責から、黙示録的世界に押しつぶされ自己崩壊をする中で、幻影たちに唱われている曲だ。

ウンプテンプ・カンパニーの芝居では、「罪」と言う意識をモチーフにする事が多々あるが、ゲーテのファウストではこれでもかと言うほど、くっきりと描かれている。
もしかしたら、逃れられない罪の意識が僕の中に巣くっていて、普段は顕在化していないだけかも知れない。


作曲・演奏は神田晋一郎、訳は柴田翔氏 赤のファーストより「裁き手は世界を焼き尽くさん」



唱うは「赤のファウスト」、オールキャスト、実は袖でも一生懸命唱っています。



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