2008年7月12日土曜日

観劇してしまった。

観劇の感想を書こう。
空はどんよりとした梅雨空だが、気分はそんなに悪くない。
神楽坂ディープラッツに出かける。gucci&bocciの『戸惑いの午后の惨事』 を観にだ。
次回作の「三日月のセレナーデ」に参加予定の役者が出演するから、少しワクワクしていたかも知れない。

僕としては珍しく律儀に開場時間に間に合うように受付に行くと、美術家の蟹江杏が「早いね」と言った。確かに客は僕しかいなかった。取りあえず劇場に入って席にカバンを置いて、横目で美術セットをちらりと覗き、外でたばこを吹かしていた。ごちゃごちゃしてた今までのセットとは少し趣が変わりこじんまりとすっきりと飾ってあった。二間ぐらいの八百屋盆は役者が動きにくそうだと思ったが、胸の内にしまっておいた。

芝居が始まるとライトショーが暫く続き、音楽と共にセットを綺麗に浮かび上がらせている。
そんなケレンは本筋と関係ないだろうなと思っていたら、やはり上手くコミットはしていなかった。でも綺麗だったからヨシとするか?
全体的にテンポは快調で小気味は良かったのだが、緩急やメリハリの計算が下手なのか一本調子に思えた。出演者は皆演じる事が好きなのだろうが、行動の動機が無いと言っては身も蓋もないので、大げさと言う言い方が的を得ている。芝居がオーバーになる事と過剰になる事では雲泥の差なのだが、どうしてもオーバーになってしまっていた。僕のような人間はもうついて行けなくなる。
丁寧に作った感はあって良かったのだが、どうしても演劇の世界が自閉的になってしまうのは、演劇の在り方を根本から考えさせられる。
良くも悪くも若い芝居なのかも知れない。芝居を掘り起こしたり、劇構造を構築する技量が求められるが。センスが面白いだけに惜しい。
ラストの演出の思いつきも面白いのだが、詰めが甘く、思いつきに見えてしまう。言い出せばきりがなさそうだ、と、言う事はそんなにつまらなくはなかったのかもしれ無い。

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