2010年2月1日月曜日

「血の婚礼」の終演

シアターΧ提携公演「血の婚礼」が無事終演いたしました。

大所帯で望んだ今回の公演は、いくつかの課題を残し、いくつかの成果を掲げてあっという間に過ぎていった。
公演のために大勢の方々の協力なくしては、初日すら迎えられなかったであろう。
声援して頂いた皆様に静かに有難うと言いたい。

個人的には演出という役割について、嫌でも考えさせられた公演に成った。
芝居作りの分業化事態あまり好ましく思っていないのだが、箱が大きくなると、嫌でも各部署での役割と責任が生じてくるようだ。
だからといってパッチワークのような芝居だけは作りたくない。
やはりここいらがポイントか?

最終段階の作品作りで、どこまで詰め切れるかが重要であることは当初から分かっていても、現実、限られた中、体力と時間と智恵を絞り出さなければならない、その事が痛いほど身につまされた公演でもあった。
演出など、やりたいことの5割でも出来れば御の字と思っているが、今回は5割を割っていたかも知れない。
最初から難物ガルシア・ロルカにチャレンジなのだから、良しとするか。
安い話になるよりはまだ増しだ。

しかし正直、悔しい思いはある。
また、再チャレンジしたいと思わせてくれた、そんな「血の婚礼」だった。
また1からスタートをして次の作品に向かおう。
まだどこかなくすぶっている「血の婚礼」を消し去り、頭も心もエンブテーにして、意欲、いや怒りが沸き起こるのを待つとしよう。

役者陣は精一杯、エナジーを絞り出して演じてくれていたので、各々は今回の経験が先に繋がっていくだろう。
ベテラン俳優があれほど苦労し、思いを迸ってくれたのだから、若い俳優たちには有形無形の財産と成ったことを願うばかりだ。

昔からの友人に清い芝居だったと言われたことが嬉しかった。

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