稽古は楽し・・キチ役の成田明加
「三日月のセレナーデ」の立ち稽古に入って3日目になる。そして今日は全日稽古。
画像の役者は劇団レッド・フェースの成田明加。
前回の「新譚サロメ」に引き続いての出演だ。この二回目が怖い。芝居は概ね二という数が曲者らしい、どうも新鮮さが薄れるのだろうか、求めてしまう物が増すのかは分からないが、僕はその先の、先が見たくなってしまう性分なのだから、そうした僕の我が儘を免じてちょ。
彼女の演じるキチという役はこの芝居の世界の要であり、簡単に出来てはまずい役なのだ。要するに、俗に言う良い役と言う奴だ。
キチは、河原に住み孤独なのだが屈託が無く、いじましい飴売り女と言った役所。
とうてい今の時勢からは想像も出来ない生き方をしている女なのだ。
悩み苦しまなければ演じられない、いや演じてはいけない役なのかもしれないな。
「役者は文化を演じるものだ」と誰かが言っていたが、まさにその通りだとこの芝居を稽古しながらつくづく思う。自分達が知らない世界にどれだけにじり寄って行けるか、先は思いやられるが、出来ることしかできないのも事実である。
一歩一歩積み重ねて作る芝居は、僕は楽しい。そして一歩一歩進んでいく若い役者とする稽古はなお楽しい。
しかし待てよ。この明加という女優、一挙にワープしてしまうかも知れない、そんな役者かも知れないぞ…。
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